Indxx社の株価指数の種類一覧と構成内容
Indxx社の提供する指数に連動するETFも数多く楽天証券やSBI証券で取り扱いがあるため、その指数の内容をまとめておこうと思う。
- 1. Indxx Global Cloud Computing Index
- 2. Indxx Global CleanTech Index
- 3. Indxx Global FinTech Thematic Index
- 4. Indxx Cybersecurity Index
- 5. Indxx Global Robotics & Artificial Intelligence Thematic Index
- 6. Indxx Artificial Intelligence & Big Data Index
- 7. Indxx Millennials Thematic Index
- 8. Indxx Renewable Energy Index
- 9. Indxx SuperDividend Alternatives Index
- 10. Indxx SuperDividend U.S. Low Volatility Index
Indxx Global Cloud Computing Index
名前の通りクラウドコンピューティング産業の企業株価パフォーマンスに連動することを目的とした株価指数である。
クラウドコンピューティング産業は、サーバー関連、データベース、ネットワーキング、ソフトウェアなどのサービスが含まれている。
今はやりのSaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、Iaas(Infrastructure as a Service)の関連銘柄やデータセンターREITなどが対象ということになる。
指数のウェイトと構成内容
指数構成は、諸条件を満たした企業の(売上パーセンテージ)TOP30のクラウドコンピューティング会社、TOP10のパブリッククラウド会社から構成される。(状況次第でこの銘柄数に満たないこともある)
指数のクラウドコンピューティング会社のウェイトは、基本的には時価総額加重平均での構成とのこと。
ただし、データセンターREITが指数に占めるウェイトは10%までに制限(組入れは5つ)、また各銘柄のウェイト上限は4.0%、下限は0.3%である。
パブリッククラウド会社のウェイトも時価総額加重平均で構成され、パブリッククラウド会社が指数全体に占める割合は10%に制限される。
各銘柄のウェイト上限は2%、下限は0.3%。
主な構成銘柄:
PROOFPOINT INX,、DROPBOX INX、 XERO LTD、
ZSCALER INC、 TWILIO INC
連動ETF:CLOC
Indxx Global CleanTech Index
再生可能エネルギーの生産、エネルギーの効率利用、環境負荷軽減などの技術開発や設備開発を行う企業の株価パフォーマンスに連動することを目的とした株価指数。
2020/11/18を1,000として算出される。
Indxxの分類するCleanTechは、以下の5つに分かれる。
再生可能エネルギーの生産、住居・商業のエネルギー効率化、
スマートグリッド(最適化送電システム)、リチウムイオン電池(fuel cells)、
環境負荷軽減
この指数に含まれる銘柄は最低でも売上の50%をこれらの活動から得ている必要がある。
指数のウェイトと構成内容
指数は、諸条件をみたした企業の中から、CleanTech専業企業の時価総額TOP40の企業で構成される(状況によっては40に満たないこともある)
ウェイトは時価総額によることが基本だが、構成時の各銘柄の上限は6.0%、下限は0.3%になっており、5%以上の銘柄全体の合計ウェイトは40%が上限。
(ただ、このウェイト条件も組入れ対象の銘柄状況によって緩められることもあるとのことであり、参考程度に思っておいたほうがいい)
主要構成銘柄:
VESTAT WIND SYSTEMS A/S、SAMSUNG SDI CO LTD、
SIEMENS GAMESA RENEWABLE ENERGY、
XINYI SOLAR HOLDINGS LTD、ENPHASE ENERGY INC
連動ETF:CTEC
Indxx Global FinTech Thematic Index
先進国市場に上場されているフィンテック関連の企業株式パフォーマンスをトラックすることを目的とした株式指数。
従来の銀行など金融機関ビジネスを変革する・壊すことが期待されるような銘柄に投資することができる。
Fintech市場のサブテーマ
Indxx社はFintechを以下のサブテーマに分類し、破壊的変化をもたらすことのできる銘柄を選択するために調査を行っている。
P2P and Marketplace Lending:
peer-to-peer取引や伝統的に金融機関の行ってきた貸出しプロセスを代替するような技術
Mobile Payments:
特にpeet-to-peerのモバイル支払いやPOS(Point-of-sale)サービス
Crowd-Funding:
オンラインプラットフォームを利用し、直接個人投資家から資金を集めるサービス。これも伝統的な資金調達手段の代替となる得る。
Blockchain and Alternative Currencies:
はやりのブロックチェーン技術、代替通貨に関連する技術の開発やサービス提供
Personal Finance Software, Automated Wealth Management and Trading:
外資系金融機関ではIT関連の技術者採用が非常に増えているが、その理由の一つにトレーディングの自動化があり、この分野もいま非常に注目されている。
また、ロボアドバイザーなどのサービスも増えてきており、運用業務の自動化もこの分野の対象となる。
Enterprise Solutions:
信用格付けの付与など
指数のウェイトと構成内容
諸条件を満たす上記分野の専業企業のうちから時価総額のTOP企業が組み入れられる。
インデックスを構成する企業数の上限は100に制限されている。
もし20未満の企業しか条件を満たさない場合には、フィンテックに注力している企業から構成されるセカンダリー・リストから構成企業数が20になるように組み入れられる。
ウェイトは基本的には時価総額加重平均。
指数再構築の際には、各銘柄の上限は6.0%、下限は0.3%に制限。
5%以上を占める企業合計割合の上限は40%までに調整。
主要構成銘柄:
SQUARE INC-A、ADYEN NV、AFTERPAY LTD、
PAYPAL HOLDINGS INC.、INTUIT COM
連動ETF:FINX
Indxx Cybersecurity Index
サイバーセキュリティー関連銘柄のパフォーマンスに連動することを目的とした株価指数。
マーケットリストは先進国、新興国市場どちからかも構成される。
そして、時価総額TOP40のサイバーセキュリティー関連企業が指数を構成銘柄として採用される。
指数のウェイトと構成内容
時価総額に応じたウェイトをなる。
各銘柄の上限は6.0%であり、超過ウェイトはその他の銘柄に分配される。
5%を超える銘柄全体の合計ウェイト上限は40%であり、超過分は調整される。
主要構成銘柄:
FORTINET INC、PALO ALTO NETWORKS INC、
CROWDSTRIKE HOLDINGS INC、PROOFPOINT INC、
ZSCALER INC
連動ETF:BUG
Indxx Global Robotics & Artificial Intelligence Thematic Index
先進国に上場されいるロボティクス、人工知能関連企業の株価パフォーマンスをトラックすることを目的とした株価指数。
Indxx社はこの分野もいくつかのサブテーマに分類分けをして調査が行われている。
Industrial Robots and Automation:
生産現場・工場におけるオートメイション分野。日本企業でいえばファナックなどがこの分野に入ってくるだろう。
Unmanned Vehicles and Drones:
ドローンや自動運転関連企業。ハードウェア、ソフトウェアのどちらも対象である。
Non-industrial Robotics:
工業・製造業以外の分野におけるロボットや人工知能分野。
ヘルスケアや農業、エンターテイメントなど分野は幅広い。
Artificial Intelligence:
人工知能分野。
指数のウェイトと構成内容
諸条件を満たす上記分野の専業企業の中から時価総額額TOPが構成銘柄としてきまる。指数を構成する最大銘柄数は100銘柄までとなっている。
ウェイトは時価総額に基づいて決まるが、指数再構成(調整)タイミングにおける各銘柄の上限は8.0%、下限は0.3%である。
主要構成銘柄:
ABB LTD-REG、NVIDIA CORP、INTUITIVE SURGICAL INC、
FANUC CORP、KEYENCE CORP ORD
連動ETF:BOTZ
Indxx Artificial Intelligence & Big Data Index
先進国に上場されており、AI技術の開発やサービス提供、ビックデータ分析等の業務を行う企業の株価パフォーマンスをトラックすることを目的とした指数。
指数構成候補銘柄を選ぶにあたってIndxx社がいくつかのカテゴリーに分けて精査される。
Artificial Intelligence Developers:
AI開発、製品へのAI技術の利用、言語やイメージ解析などといった分野でのAI技術の導入、コミュニケーションの自動化などを行う分野
Artificial Intelligence as a Service(AIaaS):
AI技術をサービスとして顧客へ提供する企業。クラウドを通じてサービスを提供することが一般的である。
Artificial Intelligence Hardware:
半導体やメモリーストレージ、その他のIT業界に欠かせないハードウェアを生産する企業
Quantum Computing:
量子コンピューターの開発。
指数のウェイトと構成内容
上記詳細分類のうち、はじめのAI開発とAIaasがカテゴリー1、後のAIハードウェアと量子コンピューターがカテゴリー2とされ、そこからIndxx社の評価に基づき付与される”Exposure Score”(企業のAI分野へのエクスポージャー評価)によって、構成銘柄が選択される。
カテゴリー1からはTOP 60の企業が、カテゴリー2からはTOP 25の企業が選択される。
ウェイトは時価総額をベースに決まるものの、”Exposure Score”によって上限が細かく決められており、複雑な決定方法となっている。
指数再構成時のウェイトは大きくても、3%が上限のようである。
主要構成銘柄:
ORACLE CORP、ALPHABET INC-CL A、FACEBOOK INC、
CISCO SYSTEMS INC、ACCENTURE PLC-CL A
連動ETF:AIQ
Indxx Millennials Thematic Index
ミレニアル世代へのエクスポージャーのある企業の株式パフォーマンスをトラックするように作成された株式指数である。
ある世代へのエクスポージャーのある企業ということで、明確にセクターや業務内容が指定されているわけではない。
構成銘柄候補の選択は、ミレニアル世代の消費トレンドなどのファンダメンタル分析に基づき決定するとのこと。また、消費だけでなく、人材開発やフィナンシャル関連の経済行動も対象。
カテゴリーとしては、衣類、食品・外食、エンターテイメント、旅行・移動の消費分類4つと、教育・採用、フィナンシャルサービス・投資、住宅関連、Health・フィットネスの4つの人材・フィナンシャル(Human and Financial Capital Development)カテゴリーに分けられ、ミレニアル世代のこれらの分野の消費行動にエクスポージャーのあるサービスを提供する企業かどうかを調査するようである。
指数のウェイトと構成内容
上記の各カテゴリー(8つのカテゴリ)から、それぞれ最低5、最大15の企業が最終構成銘柄として選択される。
主要構成銘柄:
HOME DEPOT INC、COSTCO WHOLESALE CORP、LOWES COS INC、ALPHABET INC-CL A、FACEBOOK INC
構成銘柄を見る限り、現在プレゼンスのある企業が含まれていることに変わりはないようである。
連動ETF:MILN
Indxx Renewable Energy Index
名前の通り、再生可能エネルギーの生産、配給・提供、インフラ構築などの業務を行う企業株価のパフォーマンスをトラックするように作成された指数。
構成候補銘柄は、オーストリア、ベルギー、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、イスラエル、中国、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、UK、米国、カナダ、日本、シンガポール、スイス、香港のいずれかの国に上場されている必要がある。
また、設立地(Domicile)が台湾、韓国、オーストラリア、NZ、ブラジル等でないことも条件になっている。
サブテーマとしては、ソーラーパワー、水素、風力、地熱エネルギー、スマートグリッドに分類されており、これらの分野の業務を専業として従事しているかが選定の重要な要素となる。
指数のウェイトと構成内容
基本的には時価総額に基づいてウェイトが決定する。
指数再構成時の各銘柄のウェイト上限は8%、フロアは0.5%となっている。
主要構成銘柄:
VESTAS WIND SYSTEMS A/S、EDP ENERGIAS DE PORTUGAL SA、
NEXTERA ENERGY INC、ORSTED A/S、
ENPHASE ENERGY INC
連動ETF:RNRG
Indxx SuperDividend Alternatives Index
低いボラティリティと高い配当利回りとを実現することを目的として、様々なオルタナティブ資産のパフォーマンスをトラックする指数である。
この指数は、単なる時価総額加重平均や株価平均型の指数とは異なるウェイト付けをしたスマートベータ指数です。
この指数は、インフラ、機関投資家?(Institutional Managers)、確定利付証券(Fixed income)、Global X SuperDividend REIT ETFへのエクスポージャーを持つ。
インフラには、インフラ関連企業に加えて、エネルギー事業から収益を上げる共同投資事業であるMLP(Master Limited Partnership)を含む。
(MLPはREITのエネルギー事業バージョンだと思えばよい)
機関投資家には、PEファンドやBDC(Business Development Company)が含まれる。
従って、指数を構成するのは、個別株、REIT、クローズドエンド型ファンド、MLPということになる。
指数のウェイトと構成内容
まずは、下記条件によって、セレクションリストが作成される。
インフラ関連で組み入れられるのは、米国のインフラ企業で諸条件を満たしたもののうち、過去12ヵ月の配当利回りが最も高い16の証券と、
MLPとして設立された米国機関で条件権を満たしたもののうち、過去12カ月の配当利回りが最も高い16の証券である。
機関投資家分野として組み入れられるのは、諸条件を満たしたBDCとPEの中から過去12カ月間最も配当利回りの高かった30の証券。
Fixed Incomeとして組み入れられるのは、所定の条件を満たしたクローズドエンド型のファンドで、オプションのBuy-Write戦略をとるもの、通貨キャリートレード・新興国負債戦略をとるもの、MBSへのエクスポージャーをもつもの、それぞれ配当利回りを考慮しTOP 10のもの。
Global X SuperDividend REIT ETFについてはそのまま。
以上で作成されたセレクションリストの中から、最終的に指数を構成する銘柄が下記の要領で決まる。
インフラは、セレクションリストから、過去1年のボラティリティが最も低かった8つの証券と8つのMLP、合計16の証券が等ウェイトで指数を構成する。
機関投資家からは、セレクションリストから過去1年間のボラティリティが最も低かった15のものが等ウェイトで組み入れられる。
Fixed Incomeとしては、上記で示した3つの大きな戦略区分のうち、それぞれの中からボラティリティが最も低かった5つの証券が組み入れられる。
そして、それぞれの構成要素のウェイトは過去12カ月のボラティリティとそれぞれの相関係数を基準にして決定される。
それぞれのアセットクラスが同じリスクウェイトになるようにする、リスク・パリティ・ウェイティングが採用されるとのこと。
ただし、それぞれのアセットクラスのウェイトの上限は40%となっている。
アセットクラス内のウェイトは等ウェイトである。
(過去のリターンをみるかぎりこの指数のリターンが特別優れているということはなさそう。むしろ平凡な株価指数をアンダーパフォームしていることが多い)
連動ETF:ALTY
Indxx SuperDividend U.S. Low Volatility Index
この指数は、高配当・低ベータの米国企業のパフォーマンスをトラックすることを目的とした株式指数。
(ベータは株式市場全体(株式指数)への感応度を意味し、リスク尺度の一つ)
組入れられる株式のベータは0.85以下である必要がある。
また、過去2年間配当の支払いがあることなどの要件がある。
指数のウェイトと構成内容
ベータの基準やその他の諸条件を満たした銘柄の中から、配当利回りの最も高い50の株式が指数を構成する。
ウェイトは等ウェイト。
各セクターからの採用銘柄数は12が上限となっており、MLPに関しては最大で10が上限である。
また、一つのセクターのウェイトが全体の25%を上回ることがないように制限される。
主要構成銘柄:
HOLLY ENERGY PARTNERS LP、
CONGENT COMMUNICATIONS HOLDINGS INC、
IRON MTN INC、HAWAIIAN ELECTRIC INDUSTRIES、
PUBLIC STORAGE
連動ETF:DIV
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