【米CPI・PPI】FRBとインフレの長期戦を示唆

米国CPI及びPPIが発表され、CPIは市場予想を上回る結果となり、市場金利及び為替相場などを大きく揺るがすこととなった。

PPIに関しては予想を下回ったものの前年比の上昇幅は前月に比べて拡大、前月比で見ても安定的な上昇となっている。

CPIも市場予想を超えただけでなく前年比上昇率は前月から拡大、前月比上昇率も安定的な動きが続いており、FRBの目標とする2%への低下が簡単なものではないことを示唆している。

項目別にみても、ほとんどの主要項目で物価上昇率が拡大しており、エネルギー価格の高止まり等を受けて総合指数の低下ペースの減速も続きそうである。

アトランタ地区連銀の出している粘着性CPIの動きも参考にみておく。
前年比上昇率ではほぼ下げ止まって横ばい推移となっていた状況からジリジリと上昇に転じ始めたようにも見える。
3ヵ月前比年率でみると足元の上昇への転換がより分かりやすく、しっかりとした上昇がみてとれる。
労働市場がしっかりしており、株価が上昇を続け資産効果の高まりもあろう環境においては、基調的な物価上昇を抑制することは非常に困難ということではないだろうか。

利上げをやめ、2024年前半にも利下げへの転換がみられると予想されていたが、インフレとの戦いを甘く見すぎていたということになる。

QTのペースを減速させるような話も検討されているとの噂もあったが、そんな余裕はあるのか疑問である。

これを受けて、個人的な投資としては、より長くより高い金利が継続することを期待しながらも、10年債利回りが最低欲しいと思っていた4.5%に乗ってきたこともあり、段階的に米債ETFの購入を始めては行こうかと思っている。

日本円は日銀が無能すぎることが第一の捨て要因だが、金利差がより長く維持されることを考えれば、円高はより期待しにくい状況になったといえ、大きな円高期待は一切しないようにしておきたい。
介入があっても150円前後を期待する程度かと思う(大統領選があるので、そちらが近づいたら状況が変わるかもしれないが)