幻想に取り憑かれた日銀総裁は愚策継続へ
- 2024.12.26
- 経済・マーケット
植田総裁は先日の日本経済団体連合会審議委員会における講演で相変わらずの誤った経済認識を披露し、今後の3年間で日本経済及び通貨を完全に没落させると確信させるような素晴らしい発言をされておられた。
その凄まじさは、冒頭から「実質賃金は改善傾向に向かい、弱めの動きがみられていた個人消費にも改善の兆しがみられます」と前年比マイナス圏で推移する実質賃金・実質消費支出を完全に無視して与太事を口にするところから始まる。
続いて物価上昇に関しては、「賃金の上昇を反映する形で幅広い財・サービスで緩やかに価格が上昇するようになってきました」と、明らかに人手不足による労働力の供給制約が大きな要因にも関わらず、経済の強さが物価上昇を引き起こしているかのようなボケをかます。
そして、2%物価目標が実現された場合の好影響についてわけわからない言及もしてくださいます。(そもそも物価目標が実現されているのだが…)
「2%目標が実現した経済では、金融政策による景気の安定化がより達成されやすくなり、企業や家計の経済活動をサポートすることになります」
現状の2%目標を超える物価上昇が3年弱続く状況でもそうなっていないことは明らかであるが、彼には認識できない様子。
理想と現実の区別もできない様子であり、「物価上昇率が安定して2%程度で推移すれば、経済・物価に下押し圧力が働いた際、短期金利を引き下げるだけで、短期の実質金利をはっきりとしたマイナス圏まで機動的に引き下げることが可能となります」
などと安定的に2%を超える物価上昇が続いている状況にもかかわらず、いざというときの利下げ余地をほとんど確保できていない現状は無視した発言もされている。
3年弱2%を超える物価上昇が続いて政策金利が0.5%にもできないのだから、幻想を語っていないで現実を見るべきだろう。(上げられていないのは日銀と政府の怠惰のためではあるが)
以上の通り、植田総裁は現在の経済状況の正確な解釈を拒み、実績からして減積敵ではない幻想に取り憑かれているようである。
このような総裁の任期が残り3年もあることからして、日本円を売り外貨建て資産の積上げを続けることが今後より一層重要であると考える。
それとともに、一般消費者の貧困化は続き、治安も悪化し続けるであろうことから、身の安全には気を付けたいものである。
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