【日本CPI】33ヵ月連続で2%超の上昇 日銀は目標達成を認識せず

エネルギー価格の上昇を背景に12月分のCPIは前年比+3.6%となり、前回の2.9%から大幅に上昇した。

政府のガソリン価格抑制策の縮小が要因のため、予め想定されていた動きでもある。
そして、政府の抑制策は1月半ばに更に縮小されたため、1月も更なる物価上昇が予想される。

ただ、生鮮食品及びエネルギーを除くコアコアCPIの伸びは前年比+2.4%となっており、エネルギー価格だけでなく、基調的な物価上昇率で言っても日銀の物価目標である2%を超えているのが現状である。

また、項目別には食料価格は前値日+6%以上の伸びとなっており、ガソリン価格と食料価格の上昇が一般家庭を酷く苦しめており、消費活動停滞の継続、少子化の加速などの原因となるだろう。

これだけの長期的且つ堅調な物価上昇を前にしても、日銀は頑なに物価目標の達成を認めていない。

日銀は政策金利を0.5%に引き上げながらもステートメントの中で
『物価面をみると、賃金の上昇が続くもとで、人件費や物流費等の上昇を販売価格に反映する動きが広がってきており、基調的な物価上昇率は、2%の「物価安定の目標」に向けて徐々に高まってきている』
と記しており、3年弱続く2%超の物価上昇や足元の3.6%の物価上昇があっても2%の物価目標達成ではないと主張している。

馬鹿なのか、目標達成を認めて本格的な利上げをすることになれば財政が破綻するからできないのかのいずれかだが、いずれにしても日銀が機能しないことは間違いない。

やはり、この無能で機能不全に陥った日銀と植田総裁では、物価上昇・実質賃金減少の流れを止めることは期待できない。
また、日本円の信認失墜も加速することだろう。

実際のところ、日銀の利上げがあり、トランプ大統領のFRBへの利下げ要求発言などがあっても米ドル円は156円付近で先週の取引を終えており、マーケットは日本円への希望を失ってきているように思われる。

日銀に手が無いことを覚られ、失敗ばかりを続ける植田総裁の任期中には日本円も日本経済も信用を完全に失うことだろう。