【日本実質賃金】今月も物価と賃金の悪循環継続

複数の大手企業で初任給の引上げ予定が発表されるといった明るいニュースも見るようになった。

ユニクロ:30万円 ⇒ 33万円
明治安田生命:24万円 ⇒ 27万円
東京海上日動:28万円 ⇒ 41万円(転勤条件あり)

大手企業では優秀な人材を確保するために30万円ほどの初任給を提示することが最低条件になりつつある。

しかし、それは大手だけの話であり、且つ、現在働いている社員にも同じような賃金上昇が見られるわけではない。

実質賃金推移を見れば、少なくとも足元では物価上昇を下回る実績が続いている。

いつものごとく、実質消費支出もマイナス圏での推移が継続している。

物価と賃金の悪循環が続くうちは、消費が活性化しないことは明らかである。

また、消費支出データによればエンゲル係数(消費支出に占める食糧費の割合)は約29%にまで上昇している。

この衰退国の一般家計は途上国の家計と変わらないほどに貧しくなっている。

貧しい上に、少子高齢化で成長も見込めず、シルバー民主主義によって現役世代は搾取されるだけであり、現役世代からにとっては希望は何もないような状況にある。

労働者はますます意欲を失い、子供は生まれず、国が衰微していくことは間違いない。

貧すれば鈍するもので、この衰退国は治安の悪化も止まることはない。

毎月のように自国の社会破綻が近づいていることを感じる。