【米国CPI・PPI】コアCPIは予想下回るも全体感はテーパリングには十分

CPIは、ヘッドラインの前年比が予想されていた通りの5.3%となったが、コアCPIが予想の4.2%に対して若干弱い4.0%という結果になった。

PPIは前年比ヘッドラインが予想の8.2%を超えて8.3%、コアPPIも予想の6.6%を超えて6.7%と強い結果となった。

コアCPIのみ予想を若干下回る結果となったが、CPIとPPIの全体でみれば、テーパリングを遅らせる要因にはならないだろう。

CPI詳細

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

エネルギーと食品を除くコモディティの物価上昇率が今月も低下。

一方で電力や食品は伸びが加速しており、一般家計・消費者にとっては負担が増えそうな結果となった。

強い物価上昇が続いていることに変わりはないが、ヘッドラインとコアCPIの前年比はベース効果が薄れてきており、前月比の伸びもピークアウトしたように見えることからして、高い水準での物価上昇率は続くと思われるが、これ以上物価上昇の勢いが加速することはなさろうである。

PPI詳細

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

PPIはCOVID19による生産やサプライチェーンへの悪影響や停滞感をCPIよりもより鮮明に反映していると考えられる。

そのPPIの伸びが前年比ベースで加速していることから、中央銀行が想定しているように物価上昇の一時的要因であるサプライチェーンの問題がすぐには解決しないことを示唆しているようにみえる。

CPIの伸びがピークアウトしたにせよ、サプライチェーンや生産活動の停滞が短期的に解決しないであろうことを考えれば、FRBの目標物価上昇率2%を十分超える状況が当面は続くことが予想でき、今回の若干予想を下回ったコアCPIを理由にテーパリングが遠ざかるとは考えるべきではないと思われる。

やはり、テーパリングのタイミングを左右するのは物価上昇というよりは雇用統計にかかっているだろう。