【日本実質賃金】27ヵ月ぶりにようやく前年比プラス圏へ

表題の通り、日本の実質賃金は27ヵ月ぶりに前年比プラスとなった。

ついに26ヵ月連続の実質賃金マイナスに終止符を打つこととなったが、その原因は大幅なボーナスの伸びによるものであり、「きまって支給する給与」については-1.1%と引き続きマイナスとなっており、来月にも再度実質賃金がマイナス圏に戻ったとしてもおかしくないだろう。

テクニカルリセッションを確認した後に、この脆弱な実質賃金状況において、日銀は利上げに追い込まれたわけだが、教科書通りに考えれば日本経済はさらに悪化することになるものと考えられる。

物価高及び通貨価値防衛のために利上げが必要なことは確かであったが、わざわざテクニカルリセッションを確認するまで行動せず、景気後退の状況下で利上げしたことは良い結果を招くとは思えない。

実質消費支出も併せてみれば、引き続きマイナス圏での推移となっており、消費も引き続き弱い状況にあり、基調的な実質賃金と実質消費の悪循環は現在も続いていると思って問題ないだろう。

以上の通り、日本経済の状況は非常に弱い状態にあるだけでなく、その状況において日銀が利上げを実施するという悲惨な状況となっている。

米国の経済指標の弱さが意識されがちだが、日本の状況は更に悪いことは明らかであり、財政状況等も鑑みれば、日本経済及び通貨に希望を持つべきだとは思えない。

引き続き日本経済・財政リスクから距離を置くために海外資産を選考すべきだろう。