【JOLTS】JOLTSからみる米国労働市場2021年8月分

雇用統計に続いてJOLTSが発表されたため、情報をまとめておきたいと思います。

求人数は予想の10.925Mに対して、若干弱い10.439Mであった。

しかし、前回分が10.934Mから11.098Mに情報されており、今回分も予想を下回ったからといって、10M以上の非常に高い水準を維持停止いることから、非常に強い労働力需要を示す結果であったことには変わりない。

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

引き続きNFP等の雇用者数が予想よりも伸び悩んでいる一方で、労働力の需要が非常に大きい状況が続いていることがよくわかる。

求人数だけでなく、労働者の労働市場に対する自信を示すと考えられている退職者数についても過去最高を更新するほどまでに上昇しており、労働市場への強い自信を示す良い結果だったといえる。

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

これらのデータはまだ追加の失業給付が切れておらず、学校の対面授業等がまだ再開してこない8月分のものであることから、労働力への強い需要があっても、労働者側は非常に良い条件でもない限りは無理に労働市場に戻らないという状況が続いているものと思われる。

又、退職者数の堅調な増加から転職活動等も活発になっていると考えられ、転職時には賃金上昇が伴うことも少なくなく、これらの労働市場の需給逼迫とそれに伴う賃金上昇が一つの物価上昇要因として今後も作用するものと考えられよう。

以上のように求人数の水準等、強いJOLTSの結果をNFPとともに考慮すれば、十分にテーパリング条件はみたされているものとは考えられよう(パウエル議長はNFPに不安かもしれないが)

物価上昇圧力もこのまま放置し続けることも難しくなってくるだろうことから、11月のテーパリング・アナウンスを期待したい。