【米・GDP】2022年Q1 貿易収支悪化を背景に2020年春ぶりの落ち込み

2022年Q1の米国実質GDPは前期比年率で予想の1.0%を大きく下回り-1.4%となった。

個人消費も予想の3.5%には届かず2.7%にとどまった。

物価の急激な上昇による消費への影響やサプライチェーン問題による貿易収支の悪化などが米国GDPへの不安要素としてみられる。

この後いつものように詳細をみていきたいと思う。

米国実質GDP項目別詳細確認

今回の実質GDPを項目別に確認をすると、目立ってマイナスとなっているものとしては純輸出があげられる。

・主要項目別前期比年率チャート

Data Source : U.S. Bureau of Economic Analysis

これはサプライチェーンの混乱を理由に純輸出に悪化が見られたと考えることもできるが、サプライチェーン問題は中国の北京や上海でのCOVID-19拡大や都市閉鎖、ウクライナ・ロシア戦争を考えれば今後も続くことは明らかであり、すぐに状況は好転しないだろう。

また、急激に進むUSD高も今後米国の貿易収支を抑える大きな要因になると考えられる。

現在のUSD Indexはコロナショック時の水準まで上昇しており、主要各国との金利差拡大やウクライナ・ロシア戦争によって欧州経済が打撃受けることでEURが軟調に推移するとすれば、今後もUSD高がさらに強まることも想定できる。

そうなればUSD高によって米国の貿易収支が悪化した状態が続くことになるだろう。

・USD Index

米国GDP項目別寄与度

実質GDP及び名目GDPの前期比年率と前年比のチャートを確認する。

やはり今回のGDP悪化はとしては純輸出によるものであるといえるだろう。

今後は消費の拡大等によってGDPとしてはプラス成長に戻ってくるだろうのだろうが、貿易収支の悪化が進めば、米国政府内でも通貨高への不満が出てくるかもしれない。

実質GDP

・実質GDP前期比年率

Data Source : U.S. Bureau of Economic Analysis

・実質GDP前年比

Data Source : U.S. Bureau of Economic Analysis

名目GDP

・実質GDP前期比年率

Data Source : U.S. Bureau of Economic Analysis

・実質GDP前年比

Data Source : U.S. Bureau of Economic Analysis

今後のGDPについて考えてみると、今回のGDPがマイナスであったものの、今後は堅調な消費を背景にプラス成長になると思われる。

ただし、物価上昇圧力が強まることによって消費者の購買力低下と消費の鈍化につながり、GDPの上昇率が鈍化することには注意したい。

しかし、金融商品への投資判断や運用方針を考える上では、直近の為替や株価にとってはGDPの水準というよりは、CPIやPCEデフレーターといった物価関連指標やFRBの金融引き締めペースのほうがはるかに重要であり、GDPの重要度はいつもに比べれば低い状況が続くのかなと思っている。

そのため、今回のGDP悪化をもって投資方針を変える必要ももとろんないだろう。