仕事の大量絶滅期到来か ~加速するAIの発展~
さて、ここ最近新しいニュースや技術の発表、急速に進む社会実装を前についに仕事の大量絶滅期が来るのではないかと思うような状況になってきた。
今回は最近気になったAI VTuberと最新のAI Chatについてまとめてみたいと思う。
AI VTuber Neuro-samaの登場
まず、一つの驚くべき技術の登場が完全AI制御のVTuber Neuro-samaの登場である。
VTuber事務所・プロジェクト「にじさんじ」を運営する「ANYCOLOR」が東証に上場するなど、VTuberは若い世代だけの流行ではなく、社会全体に影響を与えるセンセーションとなっている。
そのVTuber界にAI制御のある意味完全なVTuberが現れたのである。
彼女はリズムゲームOsu等の配信を行っており、人間のVtuberと同じようにコメントの内容への回答もスムーズに行う。
使用言語は英語のため日本人には抵抗があるかもしれないが、英語がある程度わかる方は一度配信を視聴してみることをおすすめする。
彼女のスムーズな受け答え(コメントへの返答)には驚くはずである。
今までも多くのチャットボットが存在し、アプリケーションでのQ&Aの回答に使われることは多かっただろう。しかし、会話内容は選択式であることも少なくない。また、完全に一つの業務を代替してしまうことなどはほとんどなかったのではないだろうか。
しかし、Neuro-samaはVTuberの配信業務を全て代替してしまっている、おおよそ完全に人をAIに置換えることができている点で今までのチャットボットとは明確に異なるように思われる。
まだ会話の中には不自然な返答はみられるものの、この技術の発展は単純な問い合わせ対応の自動化というだけでなく、言語教育などの分野で人間の必要性をさせるかもしれない。
オンライン英会話や英会話のための短期留学などの”話すこと”を訓練することを目的とした学習サービスは多く存在するが、AIの発展は言語学習における話相手として優秀なパートナーとなるのではないだろうか。
またアナウンサー業務についてもより多くの部分がAIに置き換えられていくように思われる。現在すでにAIアナウンサーはNHKなどで活用されているが(参考記事)、今は単なる原稿を読み上げに使われているといった状況である。
しかし、今後はその他の出演者と簡単な対話をしながら情報を伝えていくことができるようになるだろう。
対話型AI「chatGPT」の登場
chatGPTは対話型のチャットAIであり、AIに対して対話する感覚で依頼や質問をすれば、それに対する返答を自然な文章で返してくれる。
実際に実行結果をみたほうが早いかと思うので実行例をいくつか紹介する。
間違った内容が含まれていることもあるが、自由記述式の対話において自然な回答が返ってくることには感動すると思う。
(日本語にも対応しているが英語で対話をしたほうが、スムーズに回答を返しくれる印象であった)
日本語でスクリーンショットを作成するpowershellスクリプトを書いてくださいとお願いしてみた。
今度は英語でPCEとCPIの違いについて説明をお願いしてみた。
今後はAIにAIに置き換えられる仕事としては何が考えられるかを聞いてみた。
このような自然な回答をみていると、修正の余地はあるのだろうが、将来的には、簡単なアドバイスやコンサルタント業務、悩みの相談などをAIが行うようになると思わざるを得ない。
スケジュール作成やプロジェクト管理などの作成依頼やコーディングもAIに依頼するようになっているのだろう。
また、これは自動化ではないかもしれないが、私たちの調べ物の仕方にも大きな影響を与えてくるだろう。
Googleを使った検索から、最近の若者はTwitterやYoutubeを使って調べ物をするようにトレンドの変化がみられるが、今後はchatGPTのようなAIに質問をするようになるかもしれない。
これはGoogleでの検索でも、YoutubeやTwitter上での検索でも検索内容に対して、近しいと思われる情報が複数列挙される形式であるが、chatGPTのようなAIの提供する回答では、必要な情報をわかりやすく説明してくれるため、自分で列挙された情報から適切なものを選択する必要性がない。
もし適切な回答を直接選んで説明してくれるようになれば、検索サービスを介して情報を得ることはなくなり、検索サービスは広告収入を得ることができなくなる恐れがる。また、多くの情報提供用のウェブサイトについても、そのウェブサイトを訪問して情報を取得する人は劇的に減少し、広告収入を得ることはできなくなるだろう。
これは広告収入をベースとするウェブサービス、検索サービスをひっくり返すことになるかもしれない。
また、今後は単なる情報の提供だけでなく体系立てた情報の提供・事実の説明はAIに置換えれ、人間ならではの哲学的な思考や文学的な作品などのオリジナル性のあるもの(これから創造していくもの)の提供にのみ価値が認められるようなるのではないだろうか。
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