依然として低すぎる日本国債利回り

日本国債利回りの上昇が継続しており、10年債利回りは1.6%まで上昇しており、その他のテナーの利回りもいずれも上昇傾向が続いている。

数ヵ月前に比べれば非常に高い水準にまで上昇して生きているものの、他の主要国の国債利回りに比べれば、日本国債利回りははるかに低い水準にあり、大きな上昇余地を残していると見ることもできる。

【期間別日本国債利回】

【主要国の10年国債利回り】

他国と比べて単純に利回り水準が低いというだけでなく、日本の物価上昇率はすでに米国よりも高い水準にあり、物価上昇率の高止まりを考えれば、日本国債の利回りは低すぎるといえるだろう。

また、財政状況は先進国の中で最悪の状況にあることから、信用リスクの観点からしても、利回りはまだまだ低すぎると考えることができよう。

【日・消費者物価上昇率】

これだけ物価が上昇しているにもかかわらず、無能な日銀は2%の物価目標達成を頑なに認めずにおり、今後も利上げに慎重な状況が期待されることから、物価上昇率は高止まりが続くものと考えられる。

また、参院選の結果を受けて、減税の機運が高まっており、政府の政策面からも物価上昇と財政悪化が想定される状況になっている。

以上の通り、他国との比較、国内の物価状況と財政状況、それらの今後の見通しからして、日本国債利回りは依然として低すぎる状態にあり、今後も金利上昇・価格下落が継続するものと考えられよう。

また、日本円に関しても、実質賃金がマイナスの状況が続き、日本の信認が失われつつあることから、同じく減価傾向が続くものと予想する。

今は、とにかく日本国債や日本円などから距離を置き、日本が倒れることに備えることが重要であろう。