ISM PMI、NMIのサブインデックスについて

ISM PMI及びNMIの構成について、重要なサブインデックスの情報とともに記録しておきます。

ISM PMI

ISM PMIには細かいインデックスがいくつもあるが、ISM PMI Composite Indexは、New Orders、Production、Employment、Supplier Deliveries、Inventoriesの等ウェイト(各20%)で構成される。


・New Orders-新規受注

ISM Composite Indexも先行指数として扱われるが、CFAの教材などでは、ISM New Orders Indexを先行指数の代表としてあげているケースもあり重要な指標である。


・Production-生産

生産量やスピードに関する指数。


・Employment-雇用

雇用を増加させたか、減少させたかに関する指数。

雇用増加は企業の生産拡大のためと考えられ、プラス要因。

将来の失業率などを予測するうえでも使える。


・Supplier Deliveries-入荷遅延

入荷遅延指数は供給者の供給に要する時間に関する指標であり、需要が高まる公共時には供給時間が拡大する傾向があり、通常は上昇は需要と実体経済の拡大を意味する。
反対に経済状況の悪化と需要の減少は生産能力に余剰を生み出し、入荷遅延は縮小する。
しかし、コロナ禍(それに伴うロックダウン)のような生産の停止させ、サプライチェーンそのものへ悪影響を与えるような状況下における入荷遅延指数の上昇は必ずしも需要拡大を意味するわけではないことには注意が必要である。



・Inventories-在庫

在庫の増減に関する指数。
在庫の増減解釈に関しても、将来の需要増加を見越してのポジティブな在庫増加なのか、反単に現在の需要減による販売量の低下のための在庫増加なのか判断する必要がある。
また、コロナ禍においては感染状況と政府の政策見通しに応じて生産の停止による将来の供給源を見越した在庫積み増しを行うケースも考えられる(サプライチェーンへのダメージから在庫が減るケースも考えられなくはないか?)。


・Custormers’ Inventories-顧客在庫

企業の顧客側が所有している推定在庫。

顧客在庫指数の大きな低下は将来的な在庫積み増しが起こることが考えられるため、将来の生産増減を予想するために使える。


・Prices-仕入価格

供給元から製品(中間財等)やサービスを受け取った際に支払った価格についてのDI(デュフュージョン・インデックス)

この価格指数の上昇は将来的な最終財の価格上昇を意味すると考えられ、将来のインフレを予測するうえで有用な情報となりえる。


・Backlog of Orders-未消化注文/手持ち注文

上昇は注文数の増加と関係していると考えられる。

・New Export Orders
・Imports

財及びサービスの輸入量の増減

ISM NMI(Service PMI)

ISM NMI ( service PMI ) は、Business Activity(/Production)、New Orders、Employment、Supplier Deliveriesの等ウェイト(各25%)で構成される。

その他、NMIの各指数に関しては、製造業PMIのものとほとんど変わらない。

しかし、NMIにはCustomers’ Inventoriesがなく、Inventories Sentimentがある点でPMIとは異なる。