【米・PCEデフレータ】強いインフレペース衰えず

2021年8月分のPCEデフレータが発表されたが、予想されていたことではあるが相変わらず強いインフレペースが続いていることを示すこととなった。

PCEデフレータは前年比4.2%、コアPCEデフレータが3.6%の上昇と予想通りの結果となった。

前年比PCEデフレータの項目別推移

Data Source :  U.S. Bureau of Economic Analysis

以上の通りピックアップした主要項目では、いずれも堅調な上昇ペースを保っている。

FOMCメンバーの中には、米国でのCOVID19による経済制限が解消されることによる一時的な影響としての価格影響や、サプライチェーンの一時的な問題による物の価格上昇が要因であり、一時的なものとの主張がいまだに残っているが、いつまでそんな主張で物価上昇を放置できるのであろうか。

彼らは、米国を含む世界的なエネルギー・コモディティ価格、食品価格の上昇、住宅価格の上昇にFRB等の主要中央銀行の金融緩和が要因になっているとは考え、対処に動きべきではないだろうか。(そうすべきと主張しているFOMCメンバーももちろんいる)

コアPCEに直接ははねないが食品価格やエネルギー価格は一般家庭の家計状況や消費に大きな影響を与えるし、過剰な緩和状況の継続は次の経済ショックの原因を作ることにもなりかねない。

LTCM破綻後の利下げ後がITバブル到来の一因となったように。

何にせよ、FOMCメンバーには自分の株式ポートフォリオなど気にせずその職責を全うしてくれることを願う。
又、年内のテーパリング開始はほど確実であろうことから、今後のテーパリング・ペースの調整等でうまく舵取りしてくれることを期待したい。