【米国金利】米国債利回り急騰が債券ETF購入意欲と何かが壊れることへの期待

足元の米国市場では、インフレ率の低下と政策金利引上げサイクルの終了が示唆される中でも、長期債利回りが急ピッチで上昇してきており、10年もの米国国債利回りは5%を超えるような動きもみられる。

また、利上げサイクル終了も織り込まれていることから、長短金利のマイナス幅は急激に縮小してきており、イールドカーブはフラットニングが進んでいる。
過去のリセッション前には逆イールドの解消がみられたこともあり、急激な長期債利回りの上昇が何かを壊す前触れになっているのではないかとの不安を持つ人も出てきている。

そんな不安への備えとしても、また、米国債利回りが米債の益回りを上回ったことからも投資対象としてより魅力的になってきており、追加購入の意欲をそそられる状況にあると思う。

また、日本経済に関しては、別記事でも触れているが期待していた植田新総裁はこの半年間失敗を積み重ねてきただけで、まったくの期待外れだったばかりか、未だに2%の物価目標が達成されていないとの異常な状況認識をしており、この能力の乏しい新総裁の任期が4年半も残っていることを考えれば、日本経済及び日本円は悍ましい状態に陥るであろうと推測される。

日本円でも金利が付く環境になり、為替の影響を受けずに金利収益を期待できるのなら理想的だが、現在の無能な日銀の政策変更ペースから考えられる現実は、日本が本格的に金利を上げ始めるのは日本円及び日本国債の信用が本格的に失墜を始めた後であろう。

それはつまり日本円で金利が付く環境になったときには、日本円の価値保存機能は失われ、円建ての国内資産で長期的な資産運用を行うことは不可能になっていることだろう。

このような日本の実情を考えれば、米株の益回りを超える高い利回りの米国債で長期運用できる機会は非常に貴重であるように思う。

その上、不安視されているリセッション時の株価急落リスクにもさらされずに済むわけである。
すでに実質金利はリーマンショック前の水準にまで上昇してきており、景気下押し効果が出てくるのも時間の問題であろう。
目安としては、リバースレポの残高減少によるある種の資金供給効果がなくなる半年後くらいが一つの分かれ目となるだろうか?

Data Source = Board of Governors of the Federal Reserve System