【米国雇用統計】2024年11月 米国労働市場の詳細確認

米・雇用統計では、非農業部門雇用者数は22.7万人と予想の20万人を超え、堅調な結果となった。

失業率は市場予想通りの4.2%、平均時給は前年比+4.0%と市場予想の+3.9%を超えており、概ね市場予想通りの結果となった。

12月の利下げを否定するような結果ではないものの、12月に利下げがあったとすれば、次回は据え置きになるのではないかと思わせるような結果である。

いつも通り詳細を見ていく。

失業率と就業者比率

失業率は前月の4.1%から上昇したとはいえ、4.2%と非常に低い状況が継続。

しかし、就業者比率(E/P Ratio)は生産年齢人口全体とプライムエージともに確りと低下傾向に入ったように見え、個人的には今後の数ヵ月間の推移に不安を持ち始めるような結果であった。

失業理由の詳細

被解雇者におけるレイオフの割合が小さくなっていることが不安要因ではあるが、引き続き明確な悪化・改善は見られない。

失業理由の分類は下記を参照。

  • 被解雇者(Job Losers) : 会社都合の一時解雇、解雇
  • 退職(Job Leavers) : 自己都合の退職者
  • 契約期間満了(Completed Temporary Job) : 一時的な/臨時の仕事を終えた場合
  • 労働市場への復帰者(Reentrants) : 再度職探しを始めた人(not-in-labor-forceからの復帰)

週給・時給とその他関連データ

週給・時給の前年比はどちらも概ね横ばいでの推移となっているものの、物価の推移を考えれば、悪くない動きだと言えるだろう。

平均週間労働時間は前月よりは改善したものの、引き続き低水準にあるため、E/P Ratioとともに中止が必要となろう。

以上の結果を見れば、今回の米・雇用統計は無難な結果であり、大きな問題点は見られない結果だったように思う。

飛び切りの強さがあったわけでもないため、12月の利下げを否定するほどのものではないが、連続的な利下げは考えにくくなったのではないだろうか。

投資方針としては、週給・時給の推移からしてもインフレ率低下にはまだ時間がかかりそうであることから、現在の米債利回りでは積極的な債券ETFの購入は控えるべきように思われる。
引き続き米ドル買いは継続するものの、米ドルキャッシュで保有した状態で様子見が良い選択肢と考える。