【米国雇用統計】2024年12月 米国労働市場の詳細確認
- 2025.01.12
- 経済・マーケット
24年12月の雇用統計も11月のそれに続いて、予想を大きく上回る堅調な結果となった。
非農業部門の雇用者数は+25.6万人(予想+16万人)、失業率も4.1%へと低下しており、市場予想よりも労働市場が冷めるのには時間がかかるであろうことを意識させる結果となった。
失業率と就業者比率
前日の通り、失業率は4.1%へと低下。
また、低下が続いていた就業者比率(E/P Ratio)は労働力人口全体、プライムエージともに回復が見られ、今回の失業率低下と合わせて望ましい動きであった。
一先ずは、プライムエージのE/P Ratioの悪化傾向が続かなかったことから、一安心というところだろう。
失業理由の詳細
失業理由からは、引き続き明確な悪化・改善は見られない。
多少大きな動きがあったものとしては、自己都合の退職者の割合が増加している。
突発的なものか、再度転職者が増えてくるのかは来月以降確認していく必要があるだろう。(JOLTSの求人件数も反転してきたことからも、注視する必要があろう)
失業理由の分類は下記を参照。
- 被解雇者(Job Losers) : 会社都合の一時解雇、解雇
- 退職(Job Leavers) : 自己都合の退職者
- 契約期間満了(Completed Temporary Job) : 一時的な/臨時の仕事を終えた場合
- 労働市場への復帰者(Reentrants) : 再度職探しを始めた人(not-in-labor-forceからの復帰)
週給・時給とその他関連データ
週給・時給の前年比でどちらもわずかに低下。
週給だけ見れば横ばいの動きが続いているようにみえ、実質賃金の前年比としてもプラス圏を維持できるであろう水準である。
平均週間労働時間は横ばい推移で、特筆する点はない。
今回の雇用統計は、総じて強い結果であったことに間違いなく、1月末のFOMCでの利下げ可能性はなくなったと思ってよいのではないだろうか。
物価指標も予想以上にスティッキーな状態にあることから、トランプ大統領の生セク次第では2025年度の利下げが1回乃至はまったくないということさえ考えられよう。(強気な見方では利上げが必要になるのではないかとの声もある)
引き続き弱い衰退国家の円建て資産ではなく、相対的に状態の良い成長国である米国の資産に資金を割り振るべき状況は続きそうだ。
特に米債利回りは急激に上昇し、10年債利回り5%もみえてきており、非常に魅力的になってきている。
更なる上昇リスクもあろうが、その際には日本円が大幅減価しているであろうことを考えれば、やはり段階的に日本円を捨てて米債を積んでいくことは魅力的な選択肢だろう。
-
前の記事
【日本実質賃金】今月も物価と賃金の悪循環継続 2025.01.11
-
次の記事
記事がありません