【米国雇用統計】2021年10月分の労働市場詳細確認

まとめるのをさぼっていたが、遅ればせながら詳細をまとめておきたいと思う。

雇用者数は45万人予想に対して53.1万人の増加、失業率は予想4.7%に対して4.6%まで低下し、予想よりも強い結果となった。

就業者比率はコロナ前の水準まではまだまだ遠いが、失業率だけでいえば急速に回復してきており、数年前まで想定されていた完全雇用の水準にまで改善している。

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

失業率と就業者比率

前述の通り、失業率は既に4.6%まで改善している。

就業者比率についてもコロナ前に比べれば労働参加率の回復が鈍いことから、改善が遅れており、FOMCメンバーもこの点を気にしてはいる。

全体の就業者比率については高齢化などの影響もあり、回復が今後も遅いものと考えられる。

しかし、プライムエージの就業者比率に関しては、2017年前半水準までは回復しており、この回復ペースを考えれば労働市場は非常に堅調であり、FRBはこの点について慎重すぎるように思えてならない。

失業率やプライムエージの就業者比率の改善を考えれば、今までのFRBは政策金利引き上げに対して弱気すぎるように思われ、近い将来修正が求められるのではないだろうか。

12月のFOMCのドットプロットで素早い利上げが必要との考えが示唆されることも期待できよう。

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

失業理由の詳細

失業理由の内訳をみても、被解雇者の割合は引き続き低下基調にあり、労働市場への復帰者の割合も前回よりも僅かながらに上昇した。

復帰者の割合が既にコロナ前の水準まで改善していること、被解雇者の割合もコロナ前の水準まで戻るのに後僅かであることからも、失業理由からみた労働市場もしっかりとした改善が続いているといえよう。

失業理由の分類は下記を参照。

  • 被解雇者(Job Losers) : 会社都合の一時解雇、解雇
  • 退職(Job Leavers) : 自己都合の退職者
  • 契約期間満了(Completed Temporary Job) : 一時的な/臨時の仕事を終えた場合
  • 労働市場への復帰者(Re-entrants) : 再度職探しを始めた人(not-in-labor-forceからの復帰を意味する)
  • 新規参加者(New Entrants) : 新たに職探しを始めた人

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

週給・時給とその他関連データ

物価上昇圧力が非常に強いため、実質ベースでは不安が残るが、名目の週給・時給の伸びについては前回よりもペースが加速している。

失業率の低下、労働供給の回復の鈍さを考えれば今後も週給・時給の上昇圧力は強い状況が続くと考えられ、これが更に物価を上昇させる要因につながる可能性があろう。

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

週間平均労働時間に関しては若干減少したが、気にしなければならないほどのことではないだろう。

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics