無能な日銀と共に行く、日本社会の破綻にかける投資
さて、9月22日に再度植田総裁率いる日銀は物価目標2%が達成されていないことを理由にマイナス金利及びYCCの維持を決定した。
更にはフォーワードガイダンスにも何ら変化はみられず、必要であれば躊躇なく追加緩和を行うとの考え維持することとなった。
コアコアCPIが前年比+4.3%、CPI想像指数は12ヵ月連続の前年比+3%超えを確認した直後にこの内容であるから、今まで以上に気違いであることが際立った印象である。
無能な日銀と失敗のみを積上げる植田総裁
さて、植田総裁が就任して半年が経とうとしているが、現在まで何の成果も得られずに、ただただ物価上昇2%の達成を認識できない異常な解釈をひけらかし、自国通貨と実質賃金だけを下げ続けるという失敗ばかりを積み上げている状態にある。
彼に災いがなければ、この状態が後4年半も続くことになるが、自国通貨と共に日本経済及び日本社会が崩れ落ちることになることは明らかではなかろうか。
本来は人の死を願うことは望ましいことではないが、この件に関しては、「災いあれ」と思わずにはいられない。
とは言っても、そんな素晴らしい出来事はなく、今後も総裁が4年半乏しい経済解釈と信じられないような失策とを続けた場合にどうなるか考えてみたと思う。
実質賃金の低下と一億総貧困社会の実現
すでに17か月もの間実質賃金が減少し続けているが、日銀が現在の失策を修正しない、多少なり修正しようとも信じられないほど愚劣な経済見通しと解釈とに基づく政策運営、異常な緩和政策が継続するのであれば、実質賃金が上昇する機会は訪れることはないだろう。
仮に日銀が多少なり、その愚かさが改善することはあったとしても、凄まじい少子高齢化の進展ペースとシルバー民主主義の下で機能不全に陥り社会保障費の増加を止めることのできない政府が国債の発行量を増加させ続けるため、国債の買入れを止めることはできず、いつまでたっても大規模な金融緩和状態から脱することはできない。
現在高齢者の割合は人口の3割弱、80歳以上の人口は1割を超えており、人口統計としては絶望しかない。
仮に政府がシルバー民主主義のもとで腐っていなければ、高齢者負担の増加・社会保障費の減少に取り組み、日銀に政策転換の余地をもたせることもできたかもしれないが、現在の無能で高齢者に支配された日本政府には社会保障費を縮小させることは不可能であろう。
これは日本政府の国債発行額の増加に加え、社会保険料・医療保険料の増額を通じて国民の可処分所得を減少させ続けることとなる。
そもそもの日銀の恐ろしい無能さに加えて、シルバー民主主義政府と社会の愚鈍さが相まって、一般家庭の実質可処分所得の減少は止まることはない。それどころか加速さえ考えられよう。
現在は、実質賃金の減少が年2%程度であるが、これが実質可処分所得の減少でいえば、初期段階で3~5%に加速してくることだろう。
また、大規模緩和の継続と実質可処分所得の減少、消費低迷による経済規模の縮小を背景に通貨安にも歯止めがかからず、円は対米ドルで減価し続けることが考えられる。
既に日本人の平均年収は3万米ドルを割り込むにい当たっているが、植田総裁率いる無能な日銀が今後4年半失敗を続ければ、2万米ドルを割り込んでいたとしても不思議ではない。
そうれなれば、現在懸念されている格差の拡大をも解決するような一億総貧困社会の様相を呈していることだろう。
出所:総務省統計局
若者の絶望と日本社会の崩落
貧困化が進み高齢者による搾取も厳しくなる中で若者や現役世代はますます希望を失い強い絶望を感じることになる。
前述のようなペースで実質可処分所得の減少が進めば、若者世代はタイよりも貧しい状態が一般的になっているかもしれない。
そんな若者が希望を失った状態が招くのは日本社会の劇的な治安悪化である。
社会構造上高齢者から搾取される運命から逃れることはできない。その構造を変えようにもシルバー民主主義では政治的プロセスを経て社会を変えることはできない。
そうなれば若者の達に残されているのは、社会ルールに反した暴力的手段や詐欺等の犯罪ということになる。
日本の誇る治安は海外と同レベルまで悪化し、世代間対立・憎悪は地域社会の文化や慣習の衰退を加速させる。
外貨獲得手段としての有効な文化的観光資源は失われる。
また、若者の絶望的な貧困は彼らから教育機会を奪い去り、将来的に知的産業の競争力低下につながる。労働集約型の産業の割合が増加し、低賃金に拍車がかかる。
まるで資源のない途上国のような荒廃した社会が広がる。
しかし、そこには途上国と違い高齢者割合の高さから成長期待はなく、絶望と貧困のみが残される。
労働参加者の減少と生産の低迷
高齢化による生産年齢人口の減少、治安の悪化と絶望の深刻化による社会不適合者の増加を通じて、労働参加者は著しく減少する。
また、教育機会を失った若者たちは生産性の高い労働を行うスキルを持たず、労働力は質量ともに悪化、日本国内での生産は低迷することとなるだろう。
これは無能な日銀と高齢化社会のなかで通貨安が急激に進む中でさえ、海外への輸出額の減少がとまらず、輸入額と貿易赤字の拡大に拍車をかけることになる。
エネルギー及び食料品を輸入に大きく依存している日本は輸入額を抑えることは難しい。無能な日銀の通貨安政策が悪影響を及ぼし貿易赤字は悪化する。
貿易赤字が通貨安を招き更なる輸入物価上昇を引き起こすとともに、物価上昇によって年金生活が立ち行かなくなる高齢者が増えれば、シルバー民主主義国家では政府は高齢者を助けるために若者及び現役世代からより多くの金銭を搾取する。また、国債発行額を増額させ高齢者福祉にあてることとなる。
日銀はその無能さをいかんなく発揮することで通貨安と物価高、実質賃金の低下といった経済への悪影響ばかりを増大させながら、政府に放漫財政の継続を助けることで、以上のサイクルを持続・加速させる。
そして日本経済の崩落を招くことになるだろう。
現在の植田総裁率いる日銀の凄まじい無能さからして、4年半もあれば十分に日本経済と日本社会を壊すには十分であろう。
日本人で絶望する人が増えれば増えるひど眠っている莫大な金融資産は日本円から外貨に換えられ、海外に逃避することとなる。その流れは無能な日銀が失望をまき散らすことで止まることはなくなり、介入でも押させこむことのできないペースとなるだろう。
日本経済・社会の崩落にかける
では、以上の通りに日本経済・社会には絶望しか残されていないとすれば、どうすべきか。
先の長い10代であれば、日本を捨てる選択も十分に考えられよう。
一方で日本で生活基盤のある現役世代の場合には、日本での生活基盤を維持しながらに日本経済及び社会からできる限り距離を置く必要があろう。
最低限の日本円保有、運用は日本株や日本企業社債を避けることが考えられる。
また、無能な日銀が第一に無価値に近づけるのは自身が発行する日本円であり、日本円でローンを組み不動産を購入する、日本円の無価値化で返済負担を減らすという考え方もあるかもしれない。
しかし、やはり第一には日本円が減価するからといって為替変動の影響はなくなるわけではなく、上下ありながらに推移することを思えば、海外での金利下落効果によって恩恵を受けるような確定利付債を買い入れて置き、海外金利下落時の多少の円高に対するクッションとして利用することを安定資産のコアに据えるべきと思っている。
余裕資産は日本株ではなく海外株式にしておくほうが良いだろう。日本経済には希望はないのだから。
(欧州も相当に愚鈍な政策と思想が蔓延していることから、避けるべきとは思うが)
皆さまも日本社会に失望しているのなら、できる限りはやく、無理のない範囲で日本経済から距離を置く動きをはじめてみてはいかがだろうか。
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