2021年7月の米国CPIは伸び鈍化もテーパリング条件には十分

2021年7月の米・CPIは前月比0.5%(予想0.5%)、前年比5.4%(予想5.3%)となった。
core CPIの前月比は0.3%(予想0.4%)、前年比4.3%(予想4.3%)であった。

前回のCPI、core CPIの前月比がともに0.9%であったことから、今回のCPI結果を受けて物価上昇はピークアウトしたのではないかとの見方もあり、USDを下落させるようにはたらいた。

しかし、ピークアウトかどうかなどはわからないが、今回の結果がテーパリングを遅らせるようなことはないであろうことは明らかだろう。

直近の強い雇用統計結果、FOMCメンバーの雇用重視姿勢(そもそも物価上昇は十分との考えが広がりはじめている)ことを考えれば、今回のCPI鈍化は今後のテーパリングタイミングを見定める上では重要ではないと思われる。

Data Source: U.S. Bureau of Labor Statistics

※チャートは季節調整後インデックスの前年比及び前月比

CPI項目別前年比変化

Data Source: U.S. Bureau of Labor Statistics

項目別チャートをみると食品価格の上昇が再度強まっていることがわかる。

COVID19のデルタ株の感染拡大により、コンテナ港などの運営に影響が出るなど物流網・サプライチェーンの問題が悪化していること、各国の洪水や南米の低気温問題といった気候問題といった要因によって食品価格は世界的に高い状態が続く恐れがある。

PPI結果はピークアウト示さず

PPI結果も追記しておきます。

こちらをみると前月比、前年比どちらでみてもピークアウトを示していません。
COVID19やサプライチェーンの問題が直接反映された結果でしょうか?

Data Source: U.S. Bureau of Labor Statistics