結婚がマイノリティになる日 |解決策はあるのか

晩婚化や未婚率の上昇、若者の恋愛離れなどが嘆かれ初めてからどれくらい経っただろうか。

今までは少ない未婚者を既婚者が見下すような環境が続いていたように思うが、ついには若年男性の既婚者がマイノリティとなったとの数字が出てきた。

こちらの記事によれば、25~39歳の男性未婚率は50.2%と過半数を超えるに至ったとのことである。

女性の未婚率はまだ40%弱ではあるが、上昇が続いていることに変わりはない。

少なくとも現時点で若年男性(中年まで?)に限って言えば、未婚者が多数派、既婚者が少数派になったということである。

また、若年男性は配偶者を持たないだけでなく、恋人も作らない(/作れない)状況となっている。

TBSの記事によれば、「男女共同参画白書」で20代男性の約70%が配偶者又は恋人がいないと回答したとのことである。(女性は約50%が配偶者・恋人なし)

20代男性については結婚はおろか恋人がいる割合も非常に低い状態にあり、恋愛を楽しむ男性は比較的珍しい存在になっていることがうかがえる。

結婚資金がないから結婚しないどころか、結婚の前段階である恋愛さえにも関わらないようになっている。

さて、理由を考えてみることにしようと思うが、考えられる理由としては下記のようなものがあげられるのではないだろうか。

  1. 男女格差の縮小による、女性の賃金上昇がみられたが、女性の上昇婚志向に変化がみられなかったことから(また男性もその期待に応えるべきとの考えを維持したことから)、多くの若年男性が女性の恋愛対象からはずれるにいたった。
  2. 娯楽と選択肢の多様化から恋愛や結婚が相対的に魅力を失った。

特に2番目の理由に関しては、多様な娯楽の反乱、中でもインターネットの発展に伴って性的コンテンツへのアクセスが容易になったことから、インターネット登場前と比較して男性の異性獲得へのモチベーションは大きく低下したことが想像できる。

今までは、素敵なデータを計画して、データ費用もすべて捻出して女性の獲得に奔走してきた。そうしなければ、男性は女性の裸をみることも、性的な欲求をみたすこともできなかった。

しかし、現在はインターネットを使えば女性の裸をみるのに手間も費用もかからない。
男性側からみた女性の体の価値(それを見る機会の希少性)は少なからず失われてしまったことだろう。

男性側としては性的欲求を満たすという結婚の持つ大きな要素が弱まり、結婚の価値を低く見積もらねばならなくなったが、女性側としては経済格差の縮小にともない結婚相手にはより高い所得を要求するようになってしまったわけである。

「結婚というコンテンツ」が与える付加価値が低下したにもかかわらず、それを手にするためのコストが増大しているのだから、そのコンテンツを欲しがる人が少なくなっても当然のことだと思われる。

もちろん子供が欲しい、支えあえるパートナーが欲しいといった欲求・希望を叶える方法として結婚が一つの解決策であることに変わりはないだろうが、少なくとも上記で述べてきたような一部の魅力が失われたことによる結婚へのモチベーション低下は否定できないだろう。

解決できる方法がるとすれば、経済的且つ精神的な本当の意味での男女平等の達成が一つの解決方法になるのではないかと考える。

男女の経済格差は縮小したといっても完全に平等にはなっていない。もし、さらに女性の所得が上昇することで男女が互いに相手の所得を気にしない、社会に深く根付いている「女性の上方婚・男性の下方婚」という前提を変えることができ、結婚が相対的に失った付加価値の分だけ結婚に求められるコストが低下させることができれば、再び「結婚というコンテンツ」への需要が回復するのではないだろうか。