【米国CPI・PPI】2022年7月 米国の状況確認

7月の米国CPIとPPIの伸びの鈍化は予想以上のペース鈍化となった。
CPI総合の前月比は予想0.2%に対して0.0%、コアCPI前月比は予想の0.5%に対して0.3%となった。

PPIはヘッドラインの前月比で予想0.3%に対して-0.5%、コアPPI前月比が予想0.4%に対して0.2%であった。

CPIとPPIはそれぞれのコア指数も含めていずれも予想を下回る結果となった。

CPI詳細

いつものように季節調整済みのCPIデータの詳細をみていく。

前述の通り7月のCPI伸び率は前月から大幅に鈍化となっており、この結果を受けて予想よりも相当強かった雇用統計後に強まった9月の75bp利上げ期待は後退することとなった。

しかし、前年比でコアCPIが+5.9%と依然として物価上昇ペースははやいことに変わりなく、9月のFOMCでは少なくとも50bpの利上げの可能性が高く、他の主要先進国よりもはやいペースでの政策金利引上げが続くことに変わりはないだろう。

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

主要項目別にみると、電気料金や食品価格、住居コストといった生活に欠かせないものの価格上昇ペースは堅調であり、引き続き家庭の購買力を削ぐものと考えられる。

エネルギー価格の上昇が一服したものの高止まりが続こうことから、物価上昇もペース鈍化はあるものの高い水準が続くといった見方も変更する必要はなさそうである。

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics

PPI詳細

こちらも季節調整済みデータを確認する。

PPIに関しては総合指数の伸び率が前月比でマイナス圏に入るまでになっている。
今までの急激な上昇ペースから、ある程度の落ち着きを取り戻してきているといったところだろうか。

前年比でみてもヘッドラインで9.7%、コアで7.5%ほどのところまでペースが鈍化してきている。しかし、依然として前年比の伸びは非常に高い状況に変わりはなく、この鈍化を持って将来の物価上昇の落ち着きを楽観的にとらえる段階ではない。

Data Source : U.S. Bureau of Labor Statistics